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監禁独房での精神的抑圧を体感。これまで伝えづらかった人の痛みがわかるVR

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VR元年といわれております。ポルノからゲームまで、娯楽的な側面が幅を利かせており、派手な映像の連続に驚愕する毎日ですが、Guardian(英国・高級紙)のVRジャーナリズム・プロジェクト"6×9"は、かなり硬派で、社会貢献性が高く、興味深いコンテンツです。

"6×9"とは6×9フィート(1.8m×2.7m)の監禁独房を指しており、現時点で米国で8~10万人が監禁独房に閉じ込められてます。収監されるのは、凶悪犯に留まらず、ドラッグ犯や密輸犯なども含まれ、この狭い空間で1日約23時間過ごします。この23時間が場合によっては何年も続きます。気が狂いそうです。テレビなどで、時々監禁独房についてのドキュメンタリー番組を目にすることはありますが、その感覚を実感することはありません。しかし、"6×9"はこの監禁独房での孤独感、心理的ダメージの一端を体験することができるVRコンテンツです。
 
 
PVによると、iPhone版またはAndroid版の"6×9"をDLし、カードボードビューワーを使って視聴することを推奨していますが、YouTube360も用意されております。
 
 
その他、監禁独房で9か月~10年過ごした7人のインタビュー音声ポッドキャストが用意されています。

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中東やアフリカで起こっている民族紛争や難民問題って、悲惨なことだとは思いつつも、どこか「対岸の火事」的な見方になってしまいがちです。しかし、VRジャーナリズムの普及によって、世界の裏側で起こっている人の痛みを、より身近に感じられ、世界がより小さくなって、より深く助け合うような時代が期待できるのではないかと思う次第です。エンタテインメントとしてのVRには若干食傷気味ですが、こちらの方面は興味出てきました。

(via Guardian, Fast Company)