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Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

リオ五輪で自らの肉体へのスポンサーロゴ表示を試みる1人の陸上選手が問題提起するアスリートのマネタイズ、アマチュアイズム

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サッカー界やテニス界におけるトップクラスのアスリートも陸上界やその他注目度が高いとはいえない競技のトップクラスも、きっと同じくらい人生を競技に捧げているのだと思う。しかし、受け取る報酬には大きな開きがあり、その大小は、その後の人生の選択に大きな影響を与える。それは単純に競技に対するファンの数、熱量によって決まることだし、宿命として受け入れなければならない、といえばそれまでだけど、アスリート個々の人生を考えると何か割り切れない感じもする。

Nick Symmondsは、全米陸上800mチャンピオンに6度輝き、2度のオリンピック出場経験(ロンドン5位)があるリオ・オリンピックの有力候補。そのSymmondsは現在、彼の右肩の9インチ(22.8cm)ほどの広告スペースをeBayでオークション販売している。ゴールの瞬間、両手を広げるとバッチリとカメラに写り込むスペースであり、現在、10,100ドルまで上昇している。入札締切りは5月4日で、上海で開幕するダイアモンドリーグから、広告表示され、リオ・オリンピックを含む2016年シーズン全体が対象になっている。因みに左肩には彼が共同経営しているカフェイン入りガムブランド"Run Gum" のロゴが掲出される。

※(下)写真の両肩のロゴはRun Gum。

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Symmondsには、2015北京世界陸上で、US Track & Fields(陸連)が定めるルールへのサインを拒否し、代表を離脱した過去がある。ルールが規定するNIKEの用具使用は、彼のスポンサーであるBrooks Runningとの契約を破ることになるからだ。

Symmondsは2012年、ロンドン五輪直前にも同じように自らの両肩の広告スペースを販売した。落札したのはミルウォーキーの広告代理店"Hanson Dodge Creative"。落札価格は11,100ドルだった。Symmondsは、"Hanson Dodge Creative"のロゴを「消せるタトゥ」で両肩に描き、全米選手権(オリンピック予選)を勝利し、五輪では5位に入賞したが、結局、ロゴを白いテープで隠すよう要求され、やむを得ず従った。

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今年初頭、"Run Gum"がUS Track & Fieldsと米国オリンピック委員会を「アスリートに対してスポンサー活動を制限しすぎている」ことがシャーマン法に反していると訴えた。

Symmondsは昨年、New York Timesに対して「みんなはオリンピックで走る私たちを見て、"アマチュア"だと言うが、私は趣味で走っているわけではない。私は自分の会社のCEOであり、走ることは仕事である」と語った。

オリンピックには大会や各国代表及び競技連盟を支えるスポンサーが存在するため、身体を広告化するアイデアは、かなり無理筋な気がするし、許可すると秩序が乱れるような気もするけど、それでもSymmondsのチャレンジを支持したい気持ちがあります。アスリートは競技の別なく、みんな人生を賭けて取り組んでいるわけだし、その程度は職業人以上。アマチュアイズムなんていう昔気質の言葉で片付けられないし、せめて、自分の身体の範囲内の商業活動だけでも許可できるようになれば、オリンピックが一歩踏み込んだスポーツ振興に貢献できるのではないかと思ったりする次第です。

(via Business Insider)