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インスタグラマー50人に金渡して服着て貰って、「ギャラもらってます」表示無しで写真投稿してもらったブランドがFTCからお咎めくらう

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PRと詐欺の境界線について、話題がつきない所ですが、アメリカでは昨年大成功したキャンペーンに対する調査の結果、「消費者を欺いた」との理由で、FTC(連邦取引委員会)が広告主に対してペナルティを課すという事件が起こっています。

対象になったのは昨年3月に行われたLord & Taylorのキャンペーン。インスタグラマー50人と契約し、同じ日に同じドレスを着た写真を50人のアカウントに投稿するという企画で、また、同時にNylon(雑誌)でも、同じドレスをテーマとした記事やインスタグラムへの投稿が実施された。

 

Wearing boho prints today from the new #DesignLab collection exclusive to @lordandtaylor #ootd #fedora #springstyle #ad

Sophie Elkusさん(@sophieelkus)が投稿した写真 -

この企画により、ドレスは即完したんですが、問題は、50人のインスタグラマーがLord & Taylorからギャラをもらっていることを明示しなかったこと、また、Nylonも広告であることを表示しなかったことが、昨年制定されたネイティブアドのガイドラインに抵触する最初のケースとして、FTCがペナルティを課すという事態に発展しました。(ペナルティ内容は未定)

インスタグラマーにギャラを払って商品を露出するという手法はファッション界を中心に結構日常的に行われているであろう仕掛け。先日話題になった記事「Googleは使わない、SEO対策しているから」でもGENKINGが、ブランドに頼まれて商品関連の投稿をすることをしれっと語ってましたが、少なくともアメリカではこういうのが全てNGということになりそうです。そして、こういう考え方は近いうちに日本にもやってくるのではないかと思います。

 本来ならユーザーが本気で気に入った商品やサービスがソーシャルに投稿される所を「金で投稿者に嘘をつかせる」というやり方は、コンプライアンス的に問題であるだけでなく、よく考えれば、かなりかっこ悪いことですが、そもそもメディアに全てを委ねてしまう体質から来ているのかな? メディアがつながっている読者なり視聴者を、広告主とクリエーターで工夫して、関係づくりしていくような健全な考え方なら、こういう手法はなくなるのではないかと思う次第です。

(via ADWEEK)