白人派遣サービス

日曜夜に超人気イベントである"MTV Video Music Awards"(VMA)がオンエアされたとあって、今朝以降、タイムラインにおけるエンタメ系情報はVMAで埋め尽くされている状態で、大半はTaylor Swiftがどうだ、とか、Kanye Westが奥さんのKim Kardashianといちゃいちゃし過ぎとかいう話題ばかりなのですが、その中に1つ渋いのがありました。

"WHITE SQUAD"というサービスがローンチされたよ! というTVCMがオンエアされたとか。"WHITE SQUAD"を訳すと、白人部隊...つまり白人派遣サービスです。

「偏見」というのは日本でも存在しますが、アメリカでは人種の偏見が強く、公民権運動によって、制度的に差別はなくなっても、白人優位の風潮はまだまだ顕在で、アパートを借りづらかったり、タクシーを止められなかったり、空港のセキュリティで入念すぎるボディチェックを受けたり、奨学金を借りづらかったり...色々な障害があります。WHITE SQUADは、そのような偏見を華麗にスルーすべく、白人を派遣し、タクシーを止めたり、アパートを借りるなどの代行サービスを提供する会社というわけです。

勿論、これは人種差別が残る世の中に対する皮肉であり、今一度偏見について考えさせるためのキャンペーンで、実際にこんなサービスはありません。Webサイトの申し込みフォームにアクセスすると上のような画面が現れ、フィクションであることが表示されます。"Learn More at Look Different"とあるので、昨年来、MTVが推進する偏見撲滅キャンペーン"Look Different"の一環のようです。他にもフリーダイアルが用意されているのですが、きっと、自動案内でキャンペーンの主旨がお知らせされるんだと思います。

Facebookで知ることになったんだけど、このキャンペーンはParty NYCによる企画みたいです。日本人がアメリカ社会の根深い問題に、こんなに痛快に切り込んでいるというのもスゴイ話です。