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カンヌライオンズの浄化が始まったか

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カンヌライオンズ、今年も始まりました。ここ数年、ソーシャルグッドが大きなテーマとなっていますが、その一方でアワードへのエントリーフィーだけで30億円近く稼ぎ、莫大な収益を得ているにも関わらず、それをソーシャルグッドな方面に(恐らく)1セントたりとも支出しないなど(Instead of Lions)、業界の表の顔と裏の顔が同時に見える感じになっておりましたが、今年はMullen Loweなるエージェンシーが"Can Your Lions"というカンヌライオンズを浄化するネパール救済プロジェクトを提案し、全てのエージェンシーに対して参加を呼びかけております。

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Mullen Loweによれば、ネパールでは1人が1日に必要とする食糧代は50セントとのこと。例えばグランプリのトロフィは2,906ドルだから、その分を寄付すれば5,812日分助けることができる。同様にゴールド、シルバー、ブロンズは1,280ドルだから2,560日分助けることができる。

つまり、全ての受賞エージェンシーが、獲得トロフィの値段分だけネパールに寄付すれば、昨年のトロフィ数換算で150万ドル、300万日分の食糧が提供できるとのこと。

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Mullen Loweは既にゴールド×3、シルバー×3、ブロンズ×7を獲得し、33,280日分の食糧支援を決定しており、今後、獲得トロフィに応じて増額していく予定。後は、他のエージェンシーが賛同するかどうか、です。

カンヌライオンズはここ数年毎年のように部門を増やし(今年もGlass LionsとCreative Data Lionsの2部門増加)、一部批判に晒されておりましたが、これで参加エージェンシーがMullen Loweの提案に賛同すれば、部門を増やすことがソーシャルグッドに繋がるという奇跡の大逆転が起こることになります。

そうなれば、後は巨額の利益をあげているであろう主催者のソーシャルグッドを期待したいところです。