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コンピュータが人間の想像を超える料理レシピを生み出し、シェフのパートナーになる

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SXSW2014でIBM Food Truckなる屋台が登場して"ホーッ"と思ったものだ。一見、ただの屋台に見えるこのトラックで提供される料理はスーパーコンピュータ"WATSON"が考案したもの。"WATOSON"とは2011年に米国でオンエアされたクイズ番組"Jeopardy"で優勝したIBMのコンピュータで、10の18乗の演算能力を持っている。

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そのWATOSONに3万5000種類のレシピと1000種類の香料化合物を分析させ、どの材料のどの組み合わせが合うのかを学習させた。結果、ワトソンは「材料・料理の地域・皿の大きさや種類」をインプットすることで、その条件に合ったレシピを生み出すことに成功した。12~14種類の材料でできたレシピを「どのような香料化合物が添加されているか?」「材料の組み合わせは斬新か?」という点から評価することが可能で、過去例を見ない人間では考えつかない組み合わせも発見する。

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例えば、日本xx%・米国xx%・メキシコxx%"など各国特有の味覚の割合を指定したり、材料や料理のタイプを入力したりすることで、WATSONが料理を考案してくれる...ということもできる。

この学習能力のあるWATSONが昨年末日本の料理シーンに登場したそうです。"IBM Cognitive Kitchen"と題されたこのイベントの舞台は西麻布の二ツ星フレンチレストラン「レフェルヴェソンス」で、人類が味わったことがない料理が提供された。

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シェフが食材や調理法、季節などシーンをイメージさせるキーワードをWATOSONに問いかけ、WATOSONがシェフにレシピを提案。そのやり取りから生まれた5つの料理がゲストに振る舞われた。

現在、将棋界ではコンピュータと人間の対決が話題になっていますが、棋士が対戦するのはWATSON同様、過去のデータと自らの対戦経験を元に学習する能力を持つコンピュータで、人間の常識を超えるような手を編み出すことから、最近では人間の練習パートナーとなりつつあります。このWATSONも同様にシェフのパートーになる可能性があるかも知れませんし、昔かたぎに固執せずに取り入れたレストランが勝者になることもあるように思います。