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Femvertising が大流行か?


以前"女性ブランドにとってフェミニズム的ストーリーが流行?"や"女性に自信を持って生きることを呼びかける物語の重複"等のエントリーで"フェミニズム的ストーリーテリング"の流行について書いたけど、この趣向は女性をターゲットとするブランドに確かな効果をもたらすようだ。
女性のライフスタイル情報サイト"SheKnows"の"Femvertising"(フェミニズム広告)に関する調査(n=628)によると、52%の女性が広告に女性を応援する姿勢が見えるかどうかは購買行動に影響を与えると答え、43%がブランドを応援したい気持ちにさせると答えている。更に、25%が広告での女性の描き方が好きで無い場合は、その商品を使い続けないだろうと答えた。
また、92%が女性を勇気づける広告を少なくとも1つは知っており、その筆頭格が"Real Beauty"(Dove)。これは"あなたは自分が思っているよりも美しい"をテーマに昨年広告賞を多数受賞した作品だ。

Doveは数年前からフォトショップを一切使わず、女性の本当の姿を描き始めて以降、セールスが25億ドルから40億ドルにジャンプアップした。

Getty Imageの女性をテーマとしたコレクション"Lean In Collection"は2014年2月以降54%の伸びを見せている。

Nikeは女性向けマーケティング強化の効果もあり、四半期ベースで15%の成長を記録した。

その他、好意的なブランドは...
Always(P&G) / LikeAGirl。"女の子らしい"というステレオタイプに大人がはめようとするあまり、彼女たちは萎縮し、やがて自分らしさを失ってしまう...というテーマ。

Panten(P&G) / Not Sorry。直ぐに"Sorry"と言ってしまう女性。もっと堂々と自信を持てばいいんだよ、というアプローチ。

その他 Hanes, Olay, COVER GIRL, Under Armer, Searsが好感を持たれている。
調査結果の一部を以下に列記します。

  • 51%が女性を応援する広告が好きであり、性差別の壁を壊すことに貢献していると考えている。ある働く子育て女性によると"最近の広告は消費者はバカ扱いしており、そんなブランドの商品を買う理由は無い。男であろうと女であろうと、そういったチープな広告はやめるべきだ"と考えている。
  • 5人に4人はより若い世代にとって女性の存在をポジティブに描くことが重要だと考えている。圧倒的多数がキャンペーンにおいて女性がどのように見られているのかが、少女たちが自信をもって生きていくことに役立つと考えている。あるミレニアル世代(25〜34才)のママは"過剰なフォトショップ加工をするのではなく、本当の女性の姿を見せて欲しい"と考えている。
  • 71%の女性は女性向けブランドの広告は女性をポジティブにする機会として活用する責任があると考えている。
  • 94%の女性は、女性をセックスシンボルとして描くことは性差別問題にとって危険であると考えている。あるジェネレーションX世代(30-50代)のママは"女性向け広告の多くは性的魅力を強調し、それが女性の美と尊厳を描くことに繋がるという考え方だけど、これからはより知的でエモーショナルな部分をそれに含めるようにすべきだ"と考えている。
  • 75%は女性の日常的な姿を描くことに好意的であり、ミレニアル世代の学生は"男女の間で交わされる言葉や会話も、より現実的なものにして欲しい。女性を物として扱ったり、人間らしく描かないことはやめて欲しい"と語っている。
  • 89%は性差別問題は人権問題であると考えている。

"SheKnows"という女性のライフスタイルメディアの調査なので、信憑性に若干の疑問はありますが、17才のMalala Yousafzaiさんがノーベル平和賞したこともあって、ジェンダー問題は益々クローズアップされそうだし、そうなると益々"Femvertising"が増えそうで、ストーリーの重複、交通渋滞が激しくなりそうです。