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家族をテーマにした広告の新手〜子供が幸せになる連れ子結婚


"家族のためのブランド"といったポジショニングの場合、その広告は典型的な仲良し家族の日々を描くというのが定跡形だが、実際の世の中の家族像というのは大きく変化している。同性婚もあれば、異人種婚もある。そして、両親が離婚するケースも少なく無い。
グラハム粉で作られた健康に良い家族の為のクラッカー"Honey Maid"の新プロモーションフィルムは"Blended Family"(子連れの離婚者同士が結婚してできた家族)がテーマだ。このフィルムの冒頭、1人の少年がこう語る。

"Sometimes it's hard to explain our family to people. I have two moms, and I've got two dads."(僕たちの家族について説明しづらいんだけど、僕には2人のママとパパがいるんだ)

その後、その少年の離婚した両親や各々の再婚相手がインタビューに答え、子供にとってできるだけスムーズに生活形態を移行していったかを語る。その様は、子供に対する罪悪感は全く感じられず、むしろうまくやったことを誇りに思うといった感じだ。
その少年は食事の前に連れ子と共に新しい家族で手を繋いで祈りったり、双方の家族と共に楽しい時間を過ごしたり..."離婚しても家族は壊れない"というのがこのフィルムのテーマだ。

"Honey Maid"によると米国の家庭の40%は"Blended Family"であり、このフィルムはそういった現状を捉え、一昔前の"別れることが悪"という考え方から一歩前進した新たな家族の在り方を提示している。"Honey Maid"は以前にも同性愛婚の家族をテーマにしたフィルムを公開したが、こちらの方がインパクトは強いと感じた。

こういう家族の在り方が成立することが少し不思議な感じがしました。自分が少年の頃は家族団欒のドラマが多く、そこから、中学生で妊娠とか、同性愛とか、続々と茶の間にとってはショッキングな内容を取り入れていったテレビドラマのストーリーテリングの手法が広告に対する無関心フィルターを乗り越える為に使われている感じがします。