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Levi’sの広告が偉大だった頃を覚えているかい?


"Creative Review"がLevi'sの新作広告をかなり強く批判している。日本でLevi'sのようなビッグブランドを、こんなに強く批判するメディアなどないなぁ...と思い、少し訳してみた。
(以下適当和訳)
Levi’sが新しい広告をリリースした。それはワクワクするようなポップチューンで幕を開け、まるで、"Laundrette"や"Dangerous Liaisons"といった過去のLevi’sの名作を旅するような感じだ。しかし、それは過去の偉大な作品を超えているわけではない。過去の名作を反映しながらも、その輝かしいオーラを感じず、寂しい思いすらさせる。

この"Just Don't Bore Them"は5年間にわたるW+Kとの付き合いに別れを告げ、今年初めにLevi’sのアカウントを奪取したDraft FCBの初作品である。ちなみにFCBはこれまでにもBBH(Levi'sの過去の名作の大部分を担当したエージェンシー)と共に広範囲にわたってLevi’sの作業をした経験があり、ブランド固有のトーン、音楽とストリートスタイルのコンビネーションを理解している。例えば、1984年のこの”501 Blues”もその1つだ。

新作は好奇心が感じられるし、全体的には悪くないが、それは、かつてのLevi’sのスタイルを様々なジーンズブランドがコピーすることで巷に溢れているありふれたイメージのコンビネーションに過ぎず、そしてLevi’sがかつて獲得した嵐のような注目も得ることができていない。
そのように他社が真似する中でも、かつてのLevi’sの作品は際だって風変わりだった。いくつかのベストワークはジーンズの製品的特徴やスタイルをきっちりと捉えている。例えばSta-Prestのプロモーションキャラクターとして開発されたFlat Eric(パペット)などがそうだ。


この”Twist”は、風変わりでありつつ、商品の特徴をよく捉えている。

プリントについても、Knick Knight(カメラマン)が撮影を担当した"老人"をテーマにした写真はとてもクールだった。


Richard Avedonによって撮影された写真なんかも良かった。

これはBBHが初めて手掛けたポスターでブラックジーンズのプロモーションだ。後にこの羊はBBHのブランドロゴになった。

近年、そういった混乱するマーケットの中でLevi’sは自社をどう定義すべきか、もがいていた。W+Kによって制作された”Go Forth”は、そのアメリカンルーツに寄り添うと共に、苦境下にあるアメリカに希望のメッセージを投げかける力強いキャンペーンであるが、音楽をベースにセクシーさをウリにした過去とは異なり、静かで悲観的なトーンだ。そして、加えてWranglerのクリエーティブに似ているというのも物足りなかった。

ブランドが新しいエージェンシーに託す希望は、最初の仕事でこれから進むべき道を規定し、強いポジションを築くことだ。この新作を見る限り、Levi’sはあまりおもしろみの無い方向に行くだろう。過去の偉大な作品をヒントにすることは良いが、それだけでは偉大な作品にはならず、もっとリスクを取る必要があるし、広告によって人々につまらない思いをさせないように、Levi’sは心配するべきだ。
(和訳以上)
これまでの広告があまりに素晴らしく、広告業界の代表的作品を多く排出してきたからこその期待なんでしょうが、厳しい。こういう記事に影響されてLevi's & FCBは軌道修正とかするんでしょうか? 次の一手に注目したいです。
(via Creative Review)