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世界の海に浮かぶ数百万トンのゴミを誰よりも早く安く回収する19才の青年の挑戦


世界の海には数百万トンのプラスチックゴミが浮かんでいる。そして、それは生態系を破壊し続け、少なくとも97年時点で100万羽の海鳥と10万頭の海洋哺乳動物の生命が失われ、また経済的・健康的にも大きな損失を出し続けている。
このような全人類的な問題に取り組む青年がいる。彼の名はBoyan Slat(Delft University of Technology)。19才という若さであり、ギリシャでダイビングを楽しんでいる際、そのゴミの多さにうんざりしたことが、プロジェクトに取り組むきっかけとなったそうだ。


彼が率いる総勢約100名からなるプロジェクトチーム"The Ocean Cleanup"が開発した"The Ocean Cleanup Array"は極めてシンプルな仕組み。まず、サークル状に流れる海流に合わせてゴミを堰き止める。堰き止める際には海洋生物も一緒に堰き止め無いよう、海に浮かぶプラスチックのみを回収できるような深さで堰き止める。そして、最後にモーターを使ってゴミを引き上げる。


Boyan Slatのプレゼンテーション。(英語だけどとても聞きやすいスピードです)

このシステムを北太平洋で実験した所、従来方法の7,900倍のスピードで33倍安あがりに海洋投棄物を回収することに成功したとのこと。そして、現在200万ドルを目標にクラウドファンディングを実施中で、69日を残し、約半分の達成率だ。
世の中を良くするイノベーションって、こういうスケールなんだな。10%や20%の改善ぐらいでイノベーションなんて言葉を使うのは辞めよう。