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羽生結弦選手とパトリック・チャン選手、何が命運を分けたか?


羽生結弦選手とパトリック・チャン選手の激闘は今日の早朝の出来事だけど、昼頃にはThe New York TimesのWebSiteに転倒したジャンプ、成功したジャンプを含めて何が命運を分けたのか、グラフィカルで分かり易い記事が掲載されていた。(記事原文“Hanyu Falls Twice, but Still Wins Gold”)
例えば羽生選手の冒頭の四回転サルコウの転倒について。上半身のバランスが崩れ、空中でタイミングを見失い、転倒。基礎点が10.50の所、7.50の得点に留まった。全ての減点の中で一番大きい減点3だ。


一方で、次の成功した四回転トーループについては10.30の基礎点の所、12.44を獲得。


そして最大の加点となったのが、三回転アクセルと三回転トーループのコンビネーション。13.86の基礎点の所、16.29を獲得。2.5点のプラス。四回転トーループと合わせて4.6点プラスで冒頭の失敗を補ってプラスを出している。


対してチャン選手の冒頭の四回転トーループと三回転サルコウのコンビネーション。1回目のジャンプの空中で加速し、その勢いで2回目のジャンプも成功。14.40の基礎点の所、17.40を獲得。これは最高の評価であり、3点もプラスされている。


一方で続く四回転トーループと三回転アクセルで大きく落としてしまう。四回転トーループはジャンプのタイミングが遅れ、着氷時に手をついてしまう。基礎点が8.50の所、5.93の得点に留まる。


三回転アクセルは跳ぶ瞬間のタイミングが狂ったために着氷時にステップアウトを余儀なくされ、氷に手をついてしまった。基礎点が10.30の所、8.73の得点に留まった。直前の四回転トーループと合わせて4点以上落としてしまう。ここで冒頭ジャンプの貯金を吐き出し、基礎点を基準に考えるとマイナスに転落。これが決定的であったかも知れない。

基礎点を基準に加点・減点の動きの大きいジャンプだけを取り上げたけど、記事ではこんな感じで羽生・チャン両選手が飛んだ全てのジャンプについて解説していて、1つの演技の中で加点・減点が相当激しいことがわかります。これがTV中継であったら採点競技の複雑な部分がクリアになって、より深くフィギュアを楽しめると思います。「画像解析やKinectで自動化できるのでは」(石井さん)という意見も頂戴しました。なるほど。
それにしても、The New York Timesは既に新聞という衣は脱ぎ捨てているなぁと思いました。新聞社という業態の枠の中ではこういう発想って出ないように思います。