Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

広告する為なら人をギョッとさせることも辞さず...という風潮について


広告はアテンションが重要である。そのアテンションを獲得する為に最近、度の過ぎたドラマ性を追求したドッキリビデオが横行し、視聴数を獲得している。そんな風潮に対してトロントのエージェンシー“John St.”が警鐘を鳴らしている。
まずは、彼らが実験的に行ったドッキリビデオをご覧頂きたい。

Coggin's Breweryなる架空のビアブランドが、夜中、とある家に強盗に押し入り、就寝中の夫婦を無理矢理起こす。恐怖に震え、悲鳴を上げる夫婦...しかしそれは'Rough Day'(大変なことがあった時はCoggin's Brewery)というキャンペーンの一環で、見知らぬ人たちとの乾杯が始まる...。酷い手口です。
そして次は、Her Antiperspirantなる架空のオフストレス系デオドラント・ブランドのドッキリビデオ。

子連れの親が見知らぬ人に道を教えている間に誘拐する...。これも酷い...。特に警察役の男のしたり顔。
この2本のビデオは多少誇張気味に作っている感はあるものの、こういった一瞬でも人に恐怖体験を与える仕掛けをJohn St.は“ExFEARiential”と呼び、人はこういった恐怖経験を忘れないし、ブランド価値を毀損するだろうと疑問を投げかけている。
また、このままエスカレートすると、人を宇宙に連れ出した挙げ句、地球に戻さない...といった冗談にならないことをやりかねない...とも語っている(これもかなり誇張)。

このJohn St.は過去にも皮肉たっぷりのビデオをリリースしている。
猫を効果的に起用し、視聴数を稼ぐ'Catvertising Agency'を標榜し、猫起用すればOK的な安直なクリエーティブを皮肉っている。

猫の件は別として「恐怖を煽る」件についてはJohn St.の指摘に大いに賛成です。ビデオ内に幾つか最近のサンプルが登場していましたが、いずれも好きではないです。