Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

政治や他企業を巻き込み昇華する一企業のキャンペーン


米国ではサンクスギビングデイ(11月第4木曜日)の翌日はクリスマス商戦のスタートとして特別セールなどが催されることから、年間で最も小売店の売上が高い日となっており「ブラックフライデー」と呼ばれている。更にここ数年、週末に街場で下見し、休暇明けの月曜日にオンラインショッピングする「サイバーマンデー」が定着してきた。
そして2010年、「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」に挟まれた土曜日を新たに“Small Business Saturday”と呼び、土曜日に小規模店舗で買い物することを促すキャンペーンが立ち上げられた。仕掛けたのは顧客の多くが中小規模の店主を占めるAmexであり、力強いアメリカ経済の復活にこの層の復活が欠かせないことをアピールしている。

Amexは今年のカンヌでグランプリを受賞したこの“Small Business Saturday”に向け、TVCMのオンエアやセールを盛り上げる為のノウハウ提供、小規模店舗での購入を宣言したカード会員への25ドルのクレジット提供など各種支援を提供しているが、今年はこれらAmexからの支援に加え、Twitterが10,000社に対してPromoted TweetsまたはPromoted Accountsで利用できる100ドル分のクレジットを提供するキャンペーンを展開した。2月以来、Twitterは中小規模の広告主をターゲットとしたセルフサービス型広告プログラムをスタートしており、今回の施策はその一環と考えられる。

また、シリコンバレーのGlyderは、ソーシャルメディアの投稿やEmailの配信に役立つテンプレートApps“Glyder+”を提供した。

更には、今年はオバマ大統領がアーリントンの小さな本屋で娘たちに本を買ってあげるパフォーマンスを実施した。大統領が流れに乗ったのか、Amexから仕掛けたのか分からないが、これは何よりパワフルなプロモーションだ。

1つの企業が立ち上げた社会的意義を持つキャンペーンに他の企業や政治家が賛同することで大きなうねりとなり、行動が習慣として定着することで世の中を前進させる素晴らしいキャンペーンです。ちなみに昨年は、1億300万人(前年比23.5%増)が小規模店舗に足を運んだそうですが、今年は更に良い結果を期待できそうです。
※Amexがリリースした“Small Business Saturday”の重要性を語る鮮やかなインフォグラフィクス