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Bodyformによる、あまりにも鮮やかすぎるクレームへの対処


「クレーム」は企業が最も恐れることの1つだ。ソーシャルメディア時代の到来により、そのリスクは一掃高くなった。そんな中企業には真摯に、素早く、相手を不快にさせずに対応し、更に「好きに転じてもらう」タイミングとして活用できるか? ということが求められるが、正直「言うは易し、行うは難し」だ。しかし、このBodyformなる女性向け生理用品ブランドの対応は良いお手本になるのでは無いか。
クレームの主はRichard Neill。男性だ。彼がFacebookにポストしたクレームがこれ。

BodyformのTVCMは生理中の女性がバイクに乗ったり、ローラーコースターしたり、踊ったり楽しそうにしている姿が描かれている。そして、他のブランドと同じように「ブルー」の水でナプキンの「浸透力」を強調している。
Richardはナイーブにもこの表現が「現実の生理中の女性の姿」であると思い込んでいたようで、自分の彼女はBodyformのユーザーだけど、笑顔で踊れないし、勿論“あれ”は「ブルー」でもない!TVCMの表現は嘘っぱちだ!...とクレームしてきたのだ。
正直、まともな友人が居て、その友人に話せば一笑に付されて解決するような馬鹿げた話だが、このポストに84,000以上の“Like!”がついて、かなりの注目を集めたこともあったのか、Bodyformは以下のビデオをリリースした。

ビデオに登場する女性はCEOのCaroline Williams。彼女は大胆にもCMで使用されている「ブルー」の水をグラスに注ぎ、まず、TVCMが嘘であることを認めてRichardに謝った上で、「ブルー」の水を口にした。そして、何故、リアルに描かないかを説明した。1980年代に生理の現実を描いた映像を制作し、男性向けにテスト視聴を実施した所、酷い結果になった為、戦略を変更することになった、とのことだ。
そして、Richardに対して理解を求める言葉をかけた後、もう一度「ブルー」の水を飲み、「プッ」とオナラで締めくくった。
くだらないクレームにも真摯に対応し、相手を気遣い、ユーモアを忘れず...。これぞ、ソーシャルメディアに対する作法だと思います。ちなみにこのビデオは250万視聴を越えており、その内、かなりの人がBodyformを好意的に感じているのでは無いか。
※「真摯さ」という面では、最近、McDonald's(カナダ)が顧客に疑問を投稿してもらい、真摯に回答するというアプローチを採用している。これはその最新ビデオで「フレンチフライは本物のポテトで出来ていないんじゃ無いか?」という疑問に対して、サプライチェーンの一部を公開している。

※ユーモアの効いた返答の代表例としては、EA Sportsのゲーム“Tiger Woods PGA TOUR 08”がある(これはとても話題になった)。顧客が「Tigerが池の上を歩いてショットしている!ありえない!」とYoutubeにビデオをアップロードしたのに対して、「いやいや、Tigerは実際のコースでも水上ショットをするよ!」とEAが切り返しビデオをリリースした。このユーモアは何度見ても素晴らしい。