Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

初めて見た「やる気ゼロ」キャンペーン



みんなにビデオ投稿して欲しいと思ったら、ワクワクさせる努力をしたり、魅力的な賞品を用意したり、美女や美男が参加を呼びかけたり...目一杯の工夫をするというのが普通だ。というか、そうでない企画は見たことが無い。昨日までは。
そんな社会通念的にあり得ないアプローチをするのは“Hans Brinker Budget Hotel”なるアムステルダムの安宿のYoutubeビデオ投稿キャンペーン。汚い部屋で無気力に掃除をする(いかにも育ちの悪そうな)従業員が、ダルそうにキャンペーンの内容を語っているビデオは衝撃的だ。まずは、昨今の経済事情のような大層な話や、怠け者のくせにふっかけてくる代理店を切って、自分たちが直接客とつながる...というようなよくある「知ったかぶり」話の前振りで「何だこれ!?」と思わせる。肝心のキャンペーン内容なんだけど、「毛が無い猫」「寂しげな尼僧」「不気味な叔父の誕生日」等、どんなビデオでもいいから“Hans Brinker Budget Hotel”を宣伝してくれとのこと(何という例え!)。投稿したビデオの視聴数が1000を超えると(たった)10ユーロ!差し上げるとのこと。10ユーロあれば、このアムステルダムで一番がっかりさせるホテル(彼らは自分たちのホテルのことを“the most discouraging hotel of Amsterdam”と言っている)で半日過ごせるそうだ(中途半端!)
「やる気ゼロ」を強調する凄まじい逆説的アプローチだ。こんなのはかつてお目にかかったことは無い。安宿なので「若いバックパッカー」が主要顧客だと思うんだけど、彼らのインサイトを考えたら、ナイスなキャンペーンのような気がしてきた。快適さよりも「事件的楽しさ」を優先する傾向にあるので。
そうして投稿されたのがこちら。「道端のゲロ」って、気分を最悪にさせるけど誰でも思わず見てしまうもの。そんな人間の習性を活かした「ゲロ広告」というお下劣極まりないアプローチだ。

これもかなり凄いです。

※他にも最悪なのが盛りだくさんです。詳しくはYoutube Channelまで。