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賞品は二の次! 4つの成功したFacebook活用コンテスト企画


何年か前までコンテスト企画をするというと、雑誌広告を出稿し、人々がエントリーシートに記入してポストに投函する手間を惜しまないことを神にもすがる気持ちで祈らなければならなかった。インターネットの出現は少なくとも投稿手間を省いてくれたけど、それでも投稿サイトにたどり着いてくれるかどうかという不安はあった。
その点、Facebookページでのコンテスト企画は、すでにファンが居て、彼らが仲間とのコミュニケーションの手段として使ってくれるというのがいい。今や彼らを惹きつける為に豪華賞品を準備することは「二の次」となった。以下4つのFacebook活用コンテストがその代表的な成功例だ(出典: Mashable)。
1. Contiki Vacations“Get on the Bus”

Kontikiは18-35才の若者だけを対象にしたニュージーランドの旅行会社。創業者が昔、欧州を1人旅した際に1台のミニバンを借り、一緒に旅行したい人を募集し、12週間かけて欧州を旅したことが由来となり、若者同士が1つのバスで旅するというのがKontikiの旅のスタイルになっている。この“Get on the Bus”なるコンテストも、このスタイルを継承しており、(Facebook上の)仲間を4人集め、8つのデスティネーションから1つを選択し、自分たちが乗込むバスに名前をつけ、旅のコンセプト、テーマ曲や映画を公開し、最も多くの“Like!”をもらったチームの旅を実現するという企画だ(総額25,000ドルの旅)。
結果、1ヶ月の投稿・投票期間で1000万インプレッション、KontikiのFacebookページに対する“Like!”は+8,000を達成した。このコンテストの成功要因は、いつもFacebook上でやりとりしている映画や音楽など自分たちの関心領域をエントリー内容に反映させたことであると言われている。また、「旅」のプランニングというのは、そもそも娯楽の領域に属するモノであり、「バスで旅する」というKontikiのそもそもの旅のコンセプトも大きな役割を果たしていると考えられる。
2. Maybelline “Show Us Your Red Lips”

Maybelline Superstay24h”なる24時間落ちない口紅のスイスでのプロモーションで、ユーザーは自分のセクシーな唇写真を撮影し、投稿するだけ。最も多くの“Like!”をもらった唇がチャンピオンとなる。3週間の投稿・投票期間で183応募、9000票、Maybelline(スイス)のFacebookページに対する“Like!”は+10,000を達成した(スイスという国の規模を考えれば素晴らしい数字)。成功要因は、女性が誇らしげになれる機会を提供した、となっているんだけど、顔全体じゃ無くて「唇」だけというのが参加範囲を広げたかも知れない。
3. Coca-Cola“The Recycling King”


Coca-Colaが実施したリサイクル意識の向上を狙ったキャンペーン。イスラエル各地に10,000を超えるリサイクル用ゴミ箱を設置し、Facebook Placeに登録(Facebookで現在位置を取得するとゴミ箱位置わかる)。空き缶・瓶を捨てている写真を添えてゴミ箱にチェックインし、最も多くチェックインした人がリサイクル・キングとなる。結果、26,000の写真投稿、25,000のチェックインを実現したそうだ。「リサイクル」をゲーム化したことが成功要因のようです。
4. Blocket.se“The Funniest Classified Ad on Blocket”

Blocketとはスウェーデン最大のクラシファイド広告プロバイダー(「売ります」「買います」といった、数行程度の簡素な広告を、内容ごとに分類してまとめて表示する広告)。ユーザーから面白いクラシファイド広告とイメージ写真を募集。事務局で20作に絞り込んだ後、ユーザー投票を実施するという仕組みなんだけど、18日間でFacebookファンが+31,000(トータル74,000 スウェーデンのアクティブFacebookユーザーは450万人)、Facebookアプリを34,000人が使用し、1日あたり35,000人が何らかの形でコンテストに参加するという結果に至った。「クラシファイド広告」という自社の業務領域でコンテストを実施したことが良かったんだろうと思います。
こうやって4つのコンテストを眺めてみると、「凄いコンテスト!」というより、肩肘張らずに気軽に(そこそこ低予算で)コンテストを実施して、結果をも残しているという感じ。やはり、「既にファンがいる」というのが大きく、「逆にファンがいれば何でもできる」と言っても大袈裟では無いですね。