Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

まだまだ続く“Best Job”の模倣


「大ヒット」につきまとう現象の1つとして「模倣」「パロディ」の類がある。そして、キャンペーンもご多分に漏れずそういう現象が起こる。昨年大ヒットしたキャンペーンと言えば“The Best Job in the World”。半年間、世界遺産の一大サンゴ礁グレート・バリア・リーフにあるハミルトン島で「島の管理人」としてゴージャスな邸宅に住み込み、 約1000万円!のギャラをもらう人材募集企画である。以降、“The Best Spokesman in the World”“The Best Sales Person in the World”など類似企画が続出した。そして、この度登場したのは“The Worst Job in the World”である。
最悪の仕事を募集なさっているのは“Numero10”なるスイスのエージェンシー。職種はグラフィックデザイナーとアカウントエグゼクティブ。早速ビデオを拝見すると徹底的に酷い仕事であることを強調なさっている。「週80時間+週末労働」「キャリアアップの可能性ゼロ」「つまらない仕事」「ヒューマンコンタクト無し」「感謝されない仕事」「モチベーションが下がる仕事」「ストレスだらけ」「鞭を持った冷酷なボス」、そして挙げ句の果てに「最も求めているスキルは無口を貫くこと」とある。応募するにはビデオが必要で、精神鑑定や犯罪歴も提出が義務づけられている。また、胸の大きなブロンド女性も求めており、胸の写真を添えろ、とのこと。
最悪の仕事と銘打って募集する人もいれば、クールな職探しをする人もいる。それが“Alec Brownstein”なる人物。著名なクリエーティブディレクターと仕事がしたいと考えたAlecは、Ian Reichenthal,David Draga,Tony Granger,Gerry Graf,Scott Vitroneの5人のクリエーティブディレクターの名前の検索ワードを購入。本人が自分の名前で検索すると、トップポジションに本人へのメッセージが表示されるという仕掛けを実行した。結果、4人とのインタビューに成功し、2人からオファーをもらい、現在はY&R New Yorkに勤務している。コストはたったの6ドル。

模倣やパロディはそれだけを眺めるとオモシロイかもしれないが、ピュアなオリジナルアイデアの横に並べられると急にチープに感じてしまう。