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Campaign, more than anything

気取り屋の時代は終わった


アルファロメオと言えば10〜15年前、少なくとも日本では“気取り屋さん”向けのクルマであった。そして、この度アルファロメオは、そんな記憶を一掃するかの如く無謀なアプローチに出た。そのアプローチとは、1960年、米国人によって成し遂げられた地球最深部到達世界記録へのチャレンジであり、マリアナ海溝にある地球上の海の最深部11,000mへの到達だ。但し、人の到達ではなく広告看板の到達であるところに虚しさもある。
このプロジェクトは“Expedition 147”と題され、新車“Alfa Romeo147”が想像を絶する“低い”価格で発売されることから、想像を絶する“低い”場所に看板を設置することで、その安さを強調するのが狙い。看板には、“We Can't go any lower.”(これ以上低い場所には行けない)と記されている。
10〜15年前、アルマーニにこだわっていた人が、今はカジュアルでブランドにこだわらないファッションを楽しんでいるのを目にすると、ブランドで“気取る”“格好をつける”というのが時代の気分と相当かけ離れてしまったとつくづく肌で感じるが、アルファロメオもそういう気分を感じ取ってこんなアプローチを試してみたのかも知れない。