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諸刃の剣、ソーシャルメディア


風評被害というものがある。ありもしない悪評をたてられ、思いがけない大きな被害を被ることだが、このビデオを見て再確認したことは、ソーシャルメディアは致命的な風評被害を起こしかねないということだ。
このビデオ、タイトルがあまりにショッキングすぎる。“HP computers are racist.(HPのコンピュータは人種差別主義者)”。リリースしたのは、“Desis”と職場の同僚“Wanda”で、HPの顔認識ソフトは白人である“Wanda”には反応するが、黒人である“Desis”には反応しないとの理由で“HP computers are racist.”と主張。HPはこれに対し「使用しているアルゴリズムは標準的なもので、鼻・頬・目のコントラストで顔認識を行うが、ライトが不十分で認識することができなかったのだろう」とコメントしている。
実際は「顔認識」の技術が進化過程にあることを示すに過ぎない例だと思うし、“Desis”も“Wanda”も怒っているという感じでもない。しかし問題は“racist(人種差別主義者)”という言葉だ。これが一人歩きすることがHPにとって最大の恐怖だろう。このビデオ、12/9にリリースされ、しばらくの間、視聴は僅かであったが、ここ3日で10万視聴に届きそうな勢いになっており、益々視聴数が増えていくことが予想される。
生活者に対して悪い対応をし、ソーシャルメディアを通じて糾弾されることは「身から出たさび」として致し方ないとして、今回のケースは大事に至らないことを願う。