Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

世の中何でもChange!



ソニーは技術、宣伝、社風、全てにおいて洗練されたクリエイティブなイメージを大切にしてきた企業だ(少なくとも私はそう感じる)。ソニーは「ソニーらしい」とか「ソニーらしくない」といった言葉で語られる程、そのイメージが社会に浸透している数少ない企業の1つだと思う。以前に紹介したソニーUKのTVCMシリーズも一貫して洗練さとクリエイティビティを重視する姿勢が現れている。
しかし、である。今秋から北米地域で展開している大型キャンペーンではペイトン・マニング(NFL選手)とジャスティン・ティンバーレイク(歌手)を起用したオモシロ・クリエーティブ路線を採用した。これだけでも結構なサプライズであったが、更に、グレゴリー・ブラザーズなるパロディ映像制作集団にTVCMのパロディ版制作を依頼し、約二週間前からヴァイラルさせていたという(上の映像がパロディ版)。視聴数は500,000に到達し、充分にヒットと呼べる実績を残しているが、「ソニーらしい」「らしくない」で判断すると後者であろう。また、ソニーはパロディCM展開と連動し、手軽にパロディ映像をつくり、Facebookにポストし、友達とシェアできるFacebookアプリ“Auto-Tune My Status”をリリースした。
サムスンの台頭と業績不振、オバマのキャッチフレーズが「変化」への舵を切らせたのか? それとも北米人は気取った表現よりも親しみやすさを重視するからなのか? これもソニー流の洗練された面白さなのか? “パーセプション・チェンジ”は、提案に求められる新鮮さを担保したいと願う代理店側の企みに応えるという意味でも、悪い状況を打開したいと願うクライアント側のすがるような気持ちに応えるという意味でもリーサルウェポンである。しかし、ソニーのように多くの熱烈なファンを持ち、国際的な注目と賞賛を集め続けてきた企業ともなると、マイナスのインパクトも大きくなりそうな気がする。