Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

かぶるだけでアイデアが湧いて出るキャップ


自分が携わっている業界の人は日々アイデアを求めて生きていると言っても過言では無い。そんな人たちにとってこの商品はとてつもなく魅力的だ。この男が深々とかぶっている帽子の名は"Thinking Cap"。かぶればたちまち"a-ha moments"(あっそうだったのか...!)が訪れ、問題が解決する。そしてブレストでヒーローになる。

勿論、この帽子にハイテクの仕組みが仕込まれている訳ではない。誰だってたった22ドルの帽子をかぶったからと言ってアイデアが溢れ出て大儲けするハズがないことぐらい分かっているけど、何か買ってしまいそう。ケンタッキーでLionel Richie "All Night Long"を聴きながら作られた帽子...というどうでも良いサイドストーリーも何か好き。
平凡な商品に対する魔法のかけ方が素晴らしい。プラシーボ効果的なことで、実際にアイデアが湧きまくることも期待できるかも知れない。

アダルト・チュッパチャップス(18禁)


チュッパチャップスと言えば子供用の飴というイメージだけど、大人需要を開拓すべく“Chupa Chups 18+ Lollipop”が企画提案されている模様。
チュッパチャップスを女性が口の中で転がす際のエロイメージにインスパイアされた商品で、バリエーションは‘BDSM’‘Fetish’‘Toys’の3種類。
BDSM(Bondage & Discipline & Submission & Manipulation)...このイガイガ感がサディズムやマゾヒズムの世界観を表している。

Fetish...いわゆる異常性欲。(何故、ブルドック?)

Toys...確かに「大人の玩具」っぽい。

モスクワのDesign Studio'FIRMA'によるこの企画は、昨冬から'SUCKER'のブランド名でロシア国内で展開していた商品で、その成功を受け、チュッパチャップスと共にグローバル展開を目論んでいる模様。

'SUCKER'...ネーミングもかなりエロいけど、広告展開も相当エロい。






ロシア...性に大らかな国だ。

1ピース欠けた板チョコの意味すること


4×5ピースで構成される1枚の板チョコ。しかし、1ピースが見当たらない。
これはスイスのチョコレートブランド“Milka”が1300万枚製造・出荷した一見不完全な板チョコだ。
Milkaは'Dare to be Tender'(思い切って優しさを表現しよう)をタグラインに掲げるブランドであり、板チョコの最後の1ピースであり、最も愛おしいピースを大切な人に贈ろう...というキャンペーンだ。


板チョコを買った人はマイクロサイトで板チョコに記されたコードと贈りたい人(自分でも可)とその住所、メッセージを入力するとMilkaがあなたの代わりに送り届けてくれる。
キャンペーンはフランスとドイツで2月14日まで続けられる予定。

広告からプロダクトへ。商品が全てを物語ることでコミュニケーションがより早く力強くなりそうです。「広告からプロダクトへ」...ですね。
※関連事例:Coca-Cola Sharing Can

歯磨き粉チューブにイノベーションを!


誰もが経験したことがある残り少なくなった歯磨き粉のラミネートチューブを搾り出す苦労。そして、こういう苦労にこそイノベーションの機会が潜んでいる。
Dankook Universityの学生であるSungmin Hong, Yubin Choi, Yun Kim, Mi Jang, Seokgyu Hwangが考案したこの画期的なチューブには大きな穴が空いており、この穴に指を入れてチューブをグルグル回転させることで、遠心力を使って残り少なくなった歯磨き粉を押し上げる。

こうやって、ブーメランを扱うが如く、くるくる回転させるだけのお手軽さ。

素敵なUI/UXデザインです。成分に集中する競争優位点から目線を外して新たな優位性をもたらす意味でも、歯磨き粉メーカーは即座に採用しても良いのではないでしょうか。

商品の物語をつくる


ドイツのDIYチェーン“Hornbach”は半年前、チェコの戦車'BMP-1'の中古を購入した。そして、その戦車は解体され、溶解され、再精製された鉄により7,000本の金槌“THE HORNBACH HAMMER”に生まれ変わった。この金槌はFacebookで先行予約販売される。


「固有の物語を発見できなければ作って差し上げる」というアイデアの賜であるこの金槌、個人的には全く欲しくないけど、「軍事オタク」には垂涎の商品なんでしょう。こういう大味ながら局所的に強く打ち込んでくる感じは海外の持ち味ですね。

あなたに微笑みかける缶〜プロダクトは最強の接点


缶のCoca-Colaを飲む度に缶があなたに微笑みかけたなら、こんなに素敵なことは無いだろう...少なくとも“OPen Happiness”を標榜するCoca-Colaにとって最高のシナリオだ。
そして、その最高のシナリオを実現する缶デザインがミラノとローマの街角にOOHとなって現れた。

残念ながらこの“Happy Can”は現実には存在しない。
生産量がとてつもなく多量なCoca-Colaの缶の形状を変更するとなると相当大変なことではないかと思いますが、遠くない未来に実現するような気がします。何と言ってもプロダクトは最強の接点ですから。