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Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

Oreoがその原型をとどめない食べ方を提案。ソーシャルで語られるためには手段選ばず。

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Oreo。

超定番のビスケットが、新フレーバー「ミント」と「ストロベリーチーズケーキ」を限定発売した。

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本来ならば、この新しいフレーバーをそのまま堪能して欲しい所だけど、フード専門ソーシャルチャンネル「Twisted」と組んで、かなり変則的な食べ方を提案している。

「ミント」を使ったこのスウィーツ、かなりアーティスティックだし、生唾飲むほどの出来だけど、Oreoの面影はゼロ。それは「ストロベリーチーズケーキ」でも全く同じ。

「知っているけど、イメージも悪くないけど、買わない」という状況に陥ったロングセラー商品が、停滞を打ち破るために新しい食べ方を提案することはよくあるけど、これは新フレーバーだし、新しい食べ方といっても激しく原型をとどめないレベル。
「ソーシャルで語られなければ、この世に存在しないのと同じ」という考え方かと思うけど、かなり気持ちの良い割り切りです。
 
(via ADWEEK

大統領選・選挙人登録しない人たちに捧げる見た目はDoritos、中身は段ボール製のチップス。

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Doritos。

スッキリしたパッケージデザインです。封を開けて食べてみたいところですが、開けたらこのざまです。中から出てくるのは、味がない、サクッとした食感もない、チップスの形をした、ただの段ボール紙。

食べようとした瞬間、ぎょっとすることは間違いない。

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このDoritosは"NO CHOICE"という名称。どういう意味があるのか?

現在、アメリカは大統領選真っ盛りだけど、アメリカには住民基本台帳がないので、投票するためには個々が選挙人登録を行わなければならない。所が、大学生の登録率が著しく低く(2012年は38%)、彼らに登録を促すためにつくられたのが、"NO CHOICE"だ。

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If you're not registered to vote, you get no choice.

選挙人登録しなければ、自分の未来を選択できない。

登録しなければ、どんな結果になっても知らないし、それほど愚かしいことはない。"NO CHOICE"を手にした人にこう感じてほしい。

Doritosは"Red vs Blue"(共和党 vs 民主党)なるウェブサイトを立ち上げ。選挙登録していない知人に対して"NO CHOICE"を送るプロジェクトを実施している。

また、各地の大学をCOOL RANCH(青)、NACHO CHEES(赤)が並ぶスペシャル無料ベンダーが巡回(この辺りもきめ細かく、赤と青のフレーバーを選んでいる)。まず最初に「選挙人登録したかどうか」を問われ、次いでCOOL RANCH、NACHO CHEESどちらが欲しいかを選択する。もし「NO(未登録)」を選択すると、いずれのフレーバーを選択しても"NO CHOICE"が出てくる。

更に、未登録者がベンダーを通じてメルアドを入力すると、登録プロセスをスタートさせるリターンメールが送られてくる仕組みも導入している。

 
キャンペーンは全て非営利団体「ROCK the VOTE」の協力の元、実施されている。
 
アメリカでは選挙を睨んだキャンペーンが結構行われますが、"NO CHOICE"とはかなり大胆なメッセージだと思う次第です。Doritosらしい粋な展開且つワイワイ騒ぐだけでなく、選挙人登録まで踏み込んで社会貢献になっている所が痺れる。
トランプの出現で一際注目の大きい選挙戦だけに、インパクトはデカいです。
 
(via Contagious

SXSWならぬSXSL。オースチンでインスパイアされたオバマ大統領がホワイトハウスでSXSWライクなフェスを開催

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今年3月、「SXSW」にオバマ大統領が電撃出演。「21世紀の市民は受け身ではなく、一人一人が出来ることを組み合わせて問題に取り掛かる時代」と力説し、クリエーターやアントレプレナーホワイトハウスが取り組んでいるチャレンジへの協力を呼びかけた。

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あれから半年。10月3日、SXSWにインスパイアされた大統領がホワイトハウス主催でSXSL(South by South Lawn)を開催した。South Lawnとは、ホワイトハウス南側の芝生広場。つまり、ホワイトハウスの敷地内でのフェスティバルであり、抽選でチケットを手にした一般人がフェスに参加できる。日本でいうと「首相官邸」で一般参加のフェスをするってことで、ホワイトハウスがいかに開かれた場所であるかがわかる。

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SXSLのテーマはアイデア、アート、アクションとあり、全てのアメリカ人が自分たちなりの方法で社会をより良くすることを目指している。

朝から晩まで、いろんなプログラムが展開されたんだけど、目玉は大統領、ディカプリオ(俳優)、Katharine Hayhoe(気象科学者)による気候変動に関するセッション。その後、ディカプリオが製作に関わったNational Geographicプレゼンツのドキュメンタリー映画「Before the Flood」が公開された。

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GurdianによるVRジャーナリズムプロジェクト「6'×9'」。今まだ残る「監禁独房」の悲惨さを体験でき、人権問題を世に問いかける。

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SXSLインタラクティブロゴ。TwitterでのSXSLに対する投稿をトラッキングして、ツイート内容に応じて色が変わる。子供たちの「デジタルものづくり教育」を推進する非営利団体「Digital Harbor Foundation」の仕掛けで、このモニュメントは子供たちが企画制作した。

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その他にも The Lumineers, Sharon Jones & the Dap-Kings, DJ Beverly Bond, Gallant, Black Alleyなどのライブや、「世界中にどうやってセンサーとデータと生産性を広めるか?」みたいなことが話し合われたり、学生向けのフィルムフェスティバルがあったり、ウェアラブルプロダクツの展示があったり、魅力的なプログラムが実施された。

そこで提供されるコンテンツよりも「世界一の権力者・大統領に会える」「ホワイトハウスに入れる」というのが最大の魅力。そこに足を踏み入れば、大統領の顔を見れば、伝えようとしていることに耳を傾けるし、その体験が新しい取り組みの起点になったり、その体験を人に伝えたりするのではないか。

YouTuberが伝えたSXSL。イベントの魅力が魅力が伝わってくる。

SXSLは1人1人の努力により、アメリカ社会でイノベーションを起こすことを目指しているが、同時にSXSLは政治手法のイノベーションでもあると思う次第です。

Channel 4大型ドラマ「Humans」 (Season 2)~ドラマの中の会社を現実に存在させ、人々を一瞬ゾッとさせようとするプロモーション

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Channel 4(英国)の大型ドラマ「Humans」。
「Humans」が描く世界は、「Synth」と呼ばれる人間そっくりの高性能ロボットの使用人がマストアイテムとなっている。「生活が一変しますよ」とのうたい文句で人々がSynthを購入するが、機械と生活することで恐ろしい影響があることに人間が気づき始めるというストーリーで、昨年オンエアされたSeason1が大ヒットした。
 
そんな中、10月からSeason 2のオンエアがスタートするんだけど、何も知らずに以下の動画を見ると、一瞬「えっ、何?」となる。ドラマに登場する「Persona Synthetics」というヒューマノイドロボット開発会社発という設定の動画だ。
 
 
位置情報を間違ったり、おかしな表情になったり、動き方がおかしい場合はすぐに商品を返送するよう願います。お客様が勝手に修繕した場合、保証対象外になります。
「Persona Synthetic」が開発したヒューマノイドロボット「Synth」に関するリコールのお知らせで、不具合修繕を呼びかける内容。下の動画では「Persona Synthetics」スポークスマンもリコールを呼びかけている。
 
 
このリコール、ホームページFacebookメッセンジャーでの受付を呼びかけているんだけど、この受付が実際に稼働している。ドラマの中の会社が現実の世界に存在しているかのように。
 
Synthが対応するFacebookメッセンジャーでは、客が所有するSynthの現状を説明すると、対処方法を教えてくれ、更に回収用トラックを手配してくれる。しかし、その後、チャットに不具合が発生し、「自我が芽生えたようで...」とジョークをかました挙句、つながらなくなるという茶番の結末。これはこれでお茶目ですが。
 

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因みに「回収トラック」は実際に英国内を走行しているという徹底ぶり。

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ホームページを立ち上げると、Synthのオペレータによるチャットも立ち上がる。

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リドリー・スコット監督「Prometheus」で、映画に登場するロボット開発会社のCEOがTED Talksでスピーチする企画があったけど、こういうプロモーション方法は「未来のロボット社会を描く映画やドラマ」の定番かもです。

記事には、この企画がみんなをぞっとさせているとあるけど、現地の空気感はどうなんでしょう? こういう茶番は寒い感じになりそうで、別の意味での「ざっとさせる」になりそうで怖いですが、ドラマの期待感が大きいと違うのかな。

(via Creative Review

 

Supremeの奇妙な新商品「赤レンガ」がソールドアウトで価格高騰。購入目的は誰かに投げつけたり、ラッパー風のレンガネックレスづくり?

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「品質が全く同じ2つの商品のどちらがいくらで選択されるか?」。
ブランド力を推し量る分かりやすい考え方だけど、これに当てはめて考えると「Supreme」は驚異的なブランド力だ。

Supremeの赤レンガ、現在eBayで1,000ドル ! の超高値取引き 

 

Brick 📹 Oliver Payne

Supremeさん(@supremenewyork)が投稿した動画 -

 
「Supreme」が秋冬コレクションとして発表した商品の中で一際注目を集めているのが赤レンガ「Supreme Brick」。カルトブランドらしく、他にもラーメン鉢とかヘルメットなど変な商品はあるんだけど、これは意表をつきまくってる。
別に金が混じっているわけでもない、ただの赤レンガに「Supreme」ロゴがエンボス加工されているだけなのに値段は30ドル。近所のホームセンターで赤レンガ1個100円で売っていたので、単純計算でSupremeが価値を30倍に引き上げたことになる。

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しかも、赤レンガは発売と共に即完し、現在eBayで1,000ドルで再販されている。これは手っ取り早い「投資」になるかもしれないし、模造品で一儲けしようと考える不謹慎な奴等が現れたって不思議ではない。
地球上の全てのSupreme Brickを買い占めて家を建てたい。
Redditでは、こんなTwitterの声に応えてか、Supremeの赤レンガで家造ったらいくらかかるのか計算するネタで盛り上がった。

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2,400平方フィート(=223㎡) の土地に建てると仮定して、117,600個の赤レンガが必要。赤レンガはシッピング等、諸々のコストを加味して@40ドルで計算すると、家の建設費用は何と470万ドル。こうやってできた家は建物基礎、電気、家具...何も含まれていない、ただの赤レンガの壁。30ドルがいかに馬鹿げた値段かわかる。

赤レンガは誰かに投げつけるために買う?

この赤レンガ、元々はNicholas NeporannyとLawrence(ファンであり、Supreme再販業者)が3月にアイデアを思いつき、100人のファンにSupremeに「赤レンガをつくれ! 」とメールするよう促したのが発端。
 

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Neporannyのよると、「Call of Duty」(人気ビデオゲーム)でバットや鉄棒など奇妙な武器が使われることにヒントを得て、当初は「Supremeの鉄棒」を思いついたらしいけど、迷走の末、最後は「誰かを殴る用の赤レンガ」ということで落ち着いたとか。意味不明のエピソードですが、そんな使い方を目論んでいる人が実際にいる。

元彼の部屋の窓ガラスを割って、元彼をそれを再販して窓ガラスを取り換える。

レンガに穴開けてチェーン通して、どこに行くのだって身に着けていく。

 
ファンによるジョークみたいなアイデアを採用するというノリの良さ、機動力。ストーリーをつくって押し付けるのではなく、一緒にストーリーをつくっていくスタンス、ブランドのつくり方が今っぽくて痺れる次第です。
 
(via COMPLEX

大統領選ディベートでの候補者の間違ったワード使用を指摘して注目を集める辞書ブランド

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1週間前に行われた「大統領選ディベート」。テレビ視聴者数は8,400万人(米国の人口は3億人)。カーターvsレーガンの8,000万人を超えて歴代トップ。2016年では、スーパーボール(1億1,190万人)に若干及ばないが、グラミー賞(2,495万人)、アカデミー賞(3,430万人)を軽く上回り、その注目の大きさが分かる。
今やビッグイベントでは、狡猾なブランドたちがソーシャルメディアでリアルタイム便乗プロモーションを展開するのが常だけど、「大統領選ディベート」でうまくやったなぁと思うのは"Merriam-Webster.com"。1828年に創立した非常に信頼性の高い老舗の「アメリカン英語辞書」です。
ディベート候補者が使用するワードの誤使用を発見・指摘し、正しい使い方を提示したり、ディベート中に使用されたワードで検索回数が多いワードを紹介するというのがその企画で、言葉に注目が集まるディベートならではのアイデア
例えば、トランプが使った"braggadocious"は17世紀初頭~19世紀にかけて使用された古いワードで「ほらふき」という意味だけど、トランプのビジネスや富についての会話の際に使用されており、誤用と判定された。"braggadocio"の検索は15,500%増で、ディベート中、最大の検索ワードとなった。
その他、"big"というワード検索が65,000%上昇。こんなに簡単なワードが検索されるなんて不思議だけど、トランプが発した"Big League"が"bigly"と聞き間違ったために、"big"が検索された。因みに、"Big League"も19世紀のワードでMLBを意味する。
トランプは今はもう使われない古いワードを使う傾向にあるみたい。
また、彼が使った"stop and frisk"は警官が証拠なしに怪しいと思う人を止めることができる、トランプが犯罪抑止ツールとして立法を支持している法律。特に黒人とヒスパニック系を対象としている所が彼のポリシーに一致する。しかし、これは実際には過去にNY州で違憲判決が出ており、Merriam-Webster.comでは、その旨を明示している。
 
脅かしたり、笑わせたりしない知的なアイデア。オーラルコミュニケーション大国ならではです。今回は突飛な発言で有名なトランプだけに、例年以上にツッコミ所満載だったかも知れない。普段は地味目な「辞書」ですが、「らしい」仕掛けです。
 

この夏、Instagramを席巻した新ソーシャルスター、25才の美人パリジェンヌの正体が判明

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Louise Delage。25才。パリジェンヌ。
8月1日、Instagramアカウントを立ち上げ後、ボートパーティや旅、ディナーなどの写真を毎日投稿。よっぽど酒が好きなのか、ほとんどの写真でワイングラスやボトルを手に持っているのが特徴。
 

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確かに美人だし、典型的なInstagram人気アカウントのイメージを踏襲した、いい雰囲気出てる写真だとは思うんだけど、僅か2か月程度で16,000フォロワー、50,000Likeを記録。かなりの数です。所謂「パーソナルブランディングが上手な人」なのかなと思っていた。すると先週、このビデオが投稿された。
 
 
これは、非営利団体「Addict Aide」による青少年にアルコール依存症の啓発キャンペーンであり、約2か月に渡る投稿が壮大な「フリ」という結末。フランスでは若者の死亡原因の5人に1人がアルコール依存症とのこと。ワインの国だけあって多い。
 
つまり、Louise Delageは実在しない人物のフェイクアカウントだったわけ。2006年に一世を風靡した「LonelyGirl15」と似た手口です。世界が初めてYouTubeに対してシリアスになった事件でした。
 

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何故、こんなに短期間で注目を集めることに成功したのか?
リエーターによると...
 
①一切のクラフト的要素を捨てる。ナチュラルってやつですね。
②1日2~3回、トラフィックが多い時間帯に投稿(朝・ランチタイム・夜)
③見つけられやすいように、「ファッション」「フード」「パーティ」「ネイチャー」などに関連するハシュタグを1投稿につき20-30個用意する。

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botを使って、ファッションブロガーやセレブリティ、ジャーナリストの投稿を好む層を発見し、フォローやLikeを実施。結果、厳選した3,150アカウントをフォローして、アカウントのリアリティを演出。
③20,000~100,000人のフォロワーを持つティーンネージャをKOLとし、彼女たちのアカウントでLouise Delageについて語ってもらう。
 
結果として、140メディアにとりあげられ、フランスではTwitterトレンド入り、ラストのビデオ視聴は50万突破を記録した。予算は恐らくゼロに近いので立派な数字です。
 

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こういう手口が若者のアルコール依存症解決にどれだけインパクトを与えるかも気になるけど、(ソーシャルイシューなのでKОLの協力を引出しやすいというのはあれど)1つの素人っぽいアカウントにここまで大きな注目を集める技に痺れる次第です。

 

(via ADWEEK