Campaign_Otaku

Campaign, more than anything

歪な形の土地を歪なままサッカーフィールドにすると、子供たちはそれはそれで普通のサッカーにはない新たな楽しみを発明する

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クーロントゥーイ(タイ)にあるバラック小屋が密集するスラムっぽいエリア。その隙間に荒れ果て、ゴミが散乱する幾つかの歪な形をした空き地がある。この空き地を見て、コミュニティのために「サッカーフィールド」をつくるに至ったのは、かなり柔軟な考え方だ。なぜなら、「サッカーフィールド=長方形」という固定概念があるからだ。

例えば、こんなL字型の歪な土地を...
 

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こんな風にL字サッカーフィールドに。
 

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コの字型の歪な土地を...
 

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コの字サッカーフィールドに。
 

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こんな不完全な形の「サッカーフィールド」でも、子供たちは十分に楽しんでいる。
 
これは、不動産デベロッパー"AP Thailand"によるプロジェクトであり、デベロッパーとして土地のポテンシャルを正確に見極める能力を証明する狙いが込められているけど、一方で、形が少々歪でも、普通のサッカーにはない楽しみを感じたり、この形状特有の技が生まれたり、さらには、サッカーから派生した新しいスポーツを生むかもしれない。大袈裟に言えば子供たちの創造性教育になるかも知れない。
 
完璧を求めず余白を残す発想が痺れる次第です。
 
(via designboom

TwitterでUnfollowされたユーザーに惜別のポエムを送る。運が良ければ復縁できるかも。

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Twitterフォロワー数が減っては悲しみにくれ、増えては歓喜する友人がいる。時には酒を飲みながら、去っていった見ず知らずの人に対して罵詈雑言を吐き捨てることもある。自分としては、そこまでTwitterに人生を捧げることに共感できないので、何も声をかけることができなかったんだけど、これからは「Goobye Unfollower」を勧めようと思う。

Goobye Unfollower」とは、あなたのアカウントのフォローを外したユーザーにファニーで少々皮肉の利いたポエムをリプライするウェブアプリ。

※1年以上前にリリースされたそうです。 

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Twitterアカウントでサインインすると、あなたのアカウントを24/7監視し、誰かにUnfollowされるや否や以下のようなポエムが送られる。文面がかなり味わい深い。

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(以下、適当訳)

このサヨナラが永遠でないことを願っている。

僕たちの最後の瞬間を忘れないために、きみのツイートをFavした。

きみと僕は戦友だったと思う。

でも、きみがたった今したことが、この関係をぶち壊した。

僕のハートは悲しみでいっぱいなのに、僕がきみをunfollowするであろうことに驚いているよ。

かなりシャレの効いたポエム。こんなポエムが届いたら復縁しそう...と思ったら以下のケースだと復縁している。

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このポエム、好きです。特に最後のパラグラフ。

「僕たちが永遠の親友でないことはわかっている。こいつらのことの方が大事なんだろ? @TwitterSports, @KingJames(レブロン・ジェームス), @SportsCenter(ESPN)」

こんなポエム送ったら、一生離れないフォロワーになりそう。人生をTwitterに捧げている友人には、このウェブアプリをオススメします。

きっとTwitterとの付き合い方についても気づいてくれるでしょう。

 

(via The Creator's Project

毎日でも漂っていたい、知のデジタル銀河。「Wikiverse」

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ただただWikipedia見て日々を過ごす生活がしてみたい。リンクの網を伝いながら時間を忘れて知の世界を放浪する。きっと最高だ。
そんな気持ちをより強く感じさせてくれるのがフランスのプログラマー・Owen Cornecがつくった「Wikiverse」(2014年にリリースした「WikiGalaxy」アップグレード版)。Wikipediaを「知の宇宙空間」として可視化したウェブサイトだ。1つ1つのアーティクルは星となり(全250,000アーティクル)、結びつきの強い星は引かれ合い、Music, Art, People, Religion...とカテゴリーを形成し、全体として「知のデジタル銀河」となる。
 

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「Wikiverse」には250,000アーティクルが収容されている(前身の「WikiGalaxy」は50,000)。これは、カニエ・ウェスト星。近くには彼のアルバム"Shake Your Money Maker"がある。勿論、テイラー・スウィフト星とも繋がっている。
 

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「知のデジタル銀河」を宇宙船で旅している感じ。毎日漂っていたい。
日本語版ができれば、自分の老後はここにあるかも知れない。
 
(via Creative Review

白黒ハッキリつける会社「WHITE LOGISTICS」ブランディング

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「WHITE LOGISTICS」なる物流企業(英国)のブランディング
「WHITE LOGISTICS」は家族経営の中小企業だったが、大きく飛躍すべくブランディングに着手。社内でインタビューを行った結果、その問題解決に対する意識が特徴と理解し、社名の「白(WHITE)」と「黒」を組み合わせた。
 
問題解決力=白黒ハッキリつける、ということです。ただの物流ではないということです。(Logistics is just logistics. Right? ...Wrong!)
 
ブランドフィルムがとてもかっこいい。
 
 
トラックが「PROBLEM?」を照らしつつ、「SOLVED」へ。そして、収まった先が「WHITE」の「I」(!=解決、前進)。イカしてる。
「PROBLEM? SOLVED」がタグラインということです。
 
トラックのビジュアルは同じく白黒を使ったOP ART。全48種類あって、それぞれのビジュアルを目を凝らして見ると、メッセージが浮かび上がるという仕掛け。
 

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リア部分には難関クイズ。これもかなりのパターンがあって、正解はホームページを見てね、とのこと。

 

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その他、ユニフォームやホームページ、パンフ、ブランドブックなど制作。

 

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どれだけブランディングに貢献できたか、その成果が気になるところですが、VI以降3年間でセールスが6割アップ、収益率403%アップ、車輌台数5割アップ、従業員数3割アップという好成績...立派なスコアです。

(経営努力も勿論凄まじかったとは思いますが)デザインで企業に活力をもたらしたケースとしてDBA Design Effectiveness Awardを受賞。中小企業、ファミリー企業、差別化の難しそうな領域こそ、デザインのチカラで突破できるということですね。

 

(via Creative Review

勉強するか? NETFLIX見るか? 自分で決められないならモルモット先生に決めてもらえ !

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箱の中を2つに区切る。片や「NETFLIX」ゾーン、もう一方を「STUDY」ゾーンとする。そして、境界線上にモルモットを配置し、Periscopeで中継。気まぐれなモルモットの動きを注視し、「STUDY」ゾーンに向かうと"Oh No !"とネットは大騒ぎ。
 
勉強しなくちゃ! でも、NETFLIXも見たい...どうしていいかわからない学生に向け、「そんなに悩むなら、モルモット先生に決めてもらったら?」という企画。いい番組がいつでもどこでも見れるNETFLIXだからこそ、学生たちがこういう状況に陥ることは想像に難くない。
とはいえ、STUDYゾーンに行こうが行くまいが勉強しない奴はしないと思うけど。
 
 
兎に角お手軽で楽しいアイデアNETFLIXはユーザーマインドに「そっと、さりげなく寄り添う」のがほんとに上手だ。

映画館でくちゃくちゃ食べながら観るのが好きな人と雑音が嫌いな人と双方の間で着地するアイデア

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いい映画が台無しになる雑音。
映画館でくちゃくちゃポップコーンを食べる音が嫌い。イライラすることもある。
調査によるとイギリス人の54%が不快に思っているとのこと。頷けます。でも裏を返せば、残り半分弱は容認しているわけで、その中の多くは「飲み食いしながら観る」派だと想像できます。よって、軽々に「飲み食い禁止」などとはできないし(売上げの面でも)、マナーを訴えかけても限界がありそうで、双方の間でどうやって着地するかは腕の見せ所です。
この問題に取り組んだのがTodayTix(オンライン映画チケット販売App運営会社)。モノを食べる音がうるさいなら、音がしない食べ物をつくればいい、というシンプル且つ斬新なソリューションを編み出した。

 

Quiet (Pop)Corn 

従来のポップコーンに代えて静かに食べられるポップコーン。材料はマジュールデーツ(ナツメヤシ)、ココナッツバター、ココアバター、ココナッツブラッサムネクター
 

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Muffled Truffles
チョコクッキーに代わる、食べる時の音を抑えたトリュフ。材料は、ダークチョコレート、アーモンドバター、マジュールデーツ(ナツメヤシ)、ココアパウダー。
 

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Silent Slices
ポテトチップスに代えた「乾燥梨のスライス」。
 

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Anti-Gas Lime & Mint Drink
炭酸飲料に代えて、ゲップの出ないライム&ミントドリンク。材料はグレープフルーツ、ライム、ミントで全て炭酸を軽減する効果がある。
 

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いずれも、雑音は小さくなるよう、材料と製法が計算されている。これらを、サイレントパッケージ(ファブリックバッグとシリコンカップ)と共にイギリスの一部の映画館で今週末まで提供される。
 
 
従来の食べ物と比較して味わいはどうなのか、レシピ販売とか先々のビジネスをにらんでるのか、単発のチケット取扱い先支援プロモーションなのか、とかいろいろ気になるところだけど、問題の解決策としてこういうところに目が行くのは素晴らしいと思う次第です。
 
(via TodayTix

KFCの神、カーネル・サンダース七変化~ちょいワルになったり、ムキムキになったり

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大抵の企業で創業者は神格化されている

ホームページや会社案内には創業者が残した言葉が経営理念として掲げられていたり、創業時のドラマチックなストーリーが語られている。中には社屋の一角に銅像までつくるような企業だってある。
創業者をいじるなんて、洋の東西を問わずありえない。
 
そして、KFCにとって創業者は通常の企業におけるそれ以上の存在だ。「カーネル・サンダース」は創業者であるだけでなく、ブランドのアイコンであり、誠実さと家族的なイメージの象徴になっている。一方で、常にその強いイメージに引っ張られてしまうことも否めず、コミュニケーションにおいてはハードルになることだってあったと想像できる。
そんなKFCがここ最近ふっきれている。キャンペーン毎に「神」であるはずの「カーネル・サンダース」をいじり倒し、挙句は七変化状態になっている。
 
スーパーボール2016でオンエアされたCMで、初代サンダースに代わり、ジム・ガフィガン(コメディアン)が起用されたあたりから、かなりハチャメチャな感じになった。但し、ルックスはカーネル・サンダースからそれほどかけ離れていない。
TVCMではカーネル・サンダースのキャスティング会議シーンを描いており、その後、次々と本来の容姿からかけ離れていくことを予見している。
 
 
 
マクドナルド・サンダース
ガフィガンにとって代わったのは、ノーム・マクドナルド(俳優)。名前がライバルと同じ「マクドナルド」というだけで起用。見た目は「カーネル・サンダース」なんだけど、中身はマクドナルド...という壮大なシャレ。
 

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ちょいワル・サンダース

その後、ダレル・ハモンド(俳優)を挟んで、ジョージ・ハミルトン(俳優)へ。
このあたりから見た目が明らかに変化。白のタキシードの胸元を大きく開けて、そこから褐色に日焼けした肌を魅せつけるジゴロタイプ。ザクザクした食感がおいしいエキストラ・クリスピー・チキンのキャラクター。
 

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ムキムキ・サンダース
WWE(プロレス団体)のスポンサーであるKFCがスターレスラーである"ドルフ・ジグラー"をカーネル・サンダースとして起用。最早、年寄でもなく、本人と違い過ぎる。
 

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KFCは昨年来マンガにも積極的。「カーネル・サンダース」が「悪のカーネル・サンダース」と戦う物語が展開されている。
 

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KFCマーケティング担当曰く、これはミレニアル世代を強く意識した戦略で「期待を裏切り続ける」「誰もが想像する定型にはまらない」ことを念頭に置いて企画しているとのこと。
「ギャップ」を追求したうけねらいはよくあるけど、創業以来60年間の「タメ」があるのでオモシロさもひとしおです。
 
(追記)
カントリー・サンダース
ドラマ「Mad Men」でお馴染みのビンセント・カーシーザーが新カーネル・サンダースに就任。「ナッシュビル・ホットチキン」なる新商品のプロモーションということで、カントリー歌手風。今の所、CMは冒頭のレコードジャケットだけの登場となっている。
 

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